2013.03.08お知らせ2013.03.08

弁護士奥山倫行が訴訟代理人を務めている一票の格差訴訟(札幌高裁)の判決言渡しが3月7日に行われ、記者会見の様子が各メディアで紹介されました。

平成24年12月17日に、同年12月16日に実施された第46回衆議院議員選挙の無効を求める訴訟を札幌高等裁判所に提訴した件で、判決言渡しが平成25年3月7日に行われ、記者会見の様子が新聞・テレビ等の各メディアで紹介されました。
(以下、弁護士奥山倫行のブログ記事を引用)

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【一票の格差】札幌高裁判決は「違憲違法」0増5減では物足りない!

昨日は昨年12月に行われた衆議院選挙の無効を求めている1票の格差訴訟の判決言渡期日でした。
結果は「違憲違法」判決です。

一票の格差訴訟に対する判断は以下の4つに分かれます。

①合憲
②違憲状態
③違憲違法
④違憲無効

前回衆議院選挙は憲法に反している。また是正のための合理的期間も過ぎており違法である。
しかもいわゆる0増5減法案は不十分である。ただ無効とまではしない。

というのが昨日の札幌高裁判決の骨子です。2009年8月の衆議院議員選挙、2010年7月の参議院議員選挙に続いて今回は3ラウンド目です。ようやくここまで来たという気もしないではありません。

①提訴後81日目で判決言渡期日を迎えた審理のスピード、②北海道ではおそらくはじめての一票の格差に関する違憲違法判断、③0増5減法案では不十分と述べているなど、個人的にはこれまでの札幌高裁の判断と比べると評価できる点が多々あるように感じています。

でも、誰しも1人1票が与えられるのが民主主義の根幹です。人口比例選挙が原則です。選挙区割の是正まで時間がかかっても比例代表制にかえれば1人1票は簡単に実現できます。そういった意味ではまだまだ不服の残る判断ではないかと思います。

全国8高裁6支部で提訴されている一連の訴訟ですが、3月6日の東京地裁判決に続き昨日の札幌高裁、今後は以下の流れで各高裁・各高裁支部での判断が続いていきます。裁判官には勇気をもってさらに踏み込んだ判断をしていただくことを願っています。

3月14日(木)14時30分 仙台高裁2民
3月14日(木)15時30分 名古屋高裁1民
3月18日(月)13時10分 福岡高裁5民
3月18日(月)14時 名古屋高裁金沢支部
3月22日(金)13時30分 s高松高裁
3月26日(火)10時 広島高裁松江支部
3月16日(火)11時 広島高裁岡山支部
3月26日(火)14時 福岡高裁宮崎支部
3月26日(火)14時 福岡高裁那覇支部
3月26日(火)15時 広島高裁2民
3月26日(火)15時 大阪高裁8民
3月27日(水)15時 仙台高裁秋田支部

そしてその後は最高裁判所です。

どこの政党が良いとか、どこの政党が駄目とか、どの政治家が好きとか、どの政治家が嫌いとかではなく、その前提として私たちの代表を選ぶためのルールは公平・公正なものであるべきです。

1票の格差の問題は誰か他の人の問題ではありません。私たち一人ひとりが今まさに直面している問題なのです。今この国では50年以上ずっと無視され、誤魔化され続けてきたことがようやく変わり始めています。1人でも多くの方に関心をもっていただけることを願っています。

平成25年3月8日 弁護士 奥山倫行

●本日の朝日新聞朝刊に掲載された升永英俊先生のコメント

「我々は無駄なことをしている『ドンキホーテ』のようだと思われていたかもしれないが、ようやくここまで来ることができた」