2012.12.18お知らせ2012.12.18

弁護士奥山倫行が訴訟代理人を務めている一票の格差訴訟(札幌高裁)提訴と記者会見の様子が各メディアで紹介されました。

平成24年12月17日に、同年12月16日に実施された第46回衆議院議員選挙の無効を求める訴訟を札幌高等裁判所に提訴し、提訴の様子と記者会見の様子が各メディアで紹介されました。

以下、弁護士奥山倫行のブログ記事を引用させていただきます。

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怒涛の師走、今年は例年以上に慌ただしく過ごしています。連絡が滞っている方申し訳ありません。

そんな中ですが、本年12月16日に行われた衆議院選挙に関して、昨日、全国の8高裁・6高裁支部に27件の「一票の格差訴訟」が提訴されました。そのうちの1件、札幌高裁での訴訟を担当させて頂いています。

一票の格差訴訟の歴史は1960年代に遡ります。最高裁は1990年代に参院選では6.25倍の一票の格差を「違憲状態」とする判決を下し、衆院選では1993年に3.18倍の一票の格差を「違憲状態」とする判断を下しています。その後の「一票の格差」訴訟でも参院選では6倍、衆院選では3倍という2つの壁を崩すことはできませんでした。

平成21年から担当させて頂いている訴訟ではこの2つの壁を崩し一人一票を実現して真の意味での民主主義を確立することを目指しています。

平成21年8月の衆院選について最高裁は平成23年3月23日に「違憲状態」と判断し、平成22年7月の参院選について最高裁は平成24年10月17日に「違憲状態」と判断しています。

それにも関わらず「0増5減」という子供だましのような改正を行って行われた今回の衆院選は「違憲」だと考えています。

今朝の新聞各紙(北海道版)では昨日行った記者会見の内容を掲載して頂いています。その中の一紙、毎日新聞(北海道版)では「例えば学級委員を選ぶ時、自分は1票、隣の子は2票ならおかしいと思うのが当然」というコメントを掲載してくださりましたが、これは誰もが感じる違和感ではないでしょうか。

小学生でもおかしいと思うことが国政で行われているのです。民主主義の基本は1人1票です。その前提が崩れればその国は民主主義国家ではありません。

全国で格差最小の高知3区の1票の価値を1とすると北海道3区の1票の価値は0.455票しか認められていないんです。たまたまどこに住んでいるかによって、自分の住む国の行く末を決める、自分たちの未来を決める、大切な国政に届く声の大きさが異なっている、そんな状態がずっと続いています。

誰もが1人の日本国民として、法の下に同じ価値を持っていて、そのように扱われる。そういった日本になって欲しいと願っています。

平成24年12月17日 弁護士 奥山倫行